受賞者:工学研究科 高田暁 准教授
受賞名:2020年日本建築学会賞(論文)
業績名:非定常状態における人体・着衣の熱水分移動と温冷感・乾燥感の予測に関する研究

概要

日本建築学会賞は、建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるとともに、わが国の建築文化を高める目的で、建築に関する特に優秀な業績を表彰するものです。日本建築学会賞(論文)は、近年中に完成し発表された研究論文で、学術の進歩に寄与する優れた論文が対象となる名誉ある賞です。

 受賞の対象となったのは、温湿度など人体周辺の環境条件の変動に対する人間の体温調節、温冷感、乾燥感の変化の仕組みを工学的なモデルで表現するための一連の研究をとりまとめたものです。

 温冷感に関しては、すでに実用的な予測手法が存在していましたが、適用範囲は限定的であり、屋外で汗をかいて冷房空間に入るといった非定常過程や、屋外での熱中症や入浴事故、新しい機能を持つ着衣の評価などの問題に対応できる手法ではありませんでした。本研究は、建築分野で用いられている熱水分の移動方程式を基盤としながら、家政学や医学など他領域の知見も導入して、人体の体温調節、温冷感や着衣を対象とした一般性の高いモデルを提案しているところに特徴があります。一方、乾燥感に関しては、比較的新しい研究領域であるため、実態を探るところから始まり、低湿時に人体の皮膚、眼球、気道で生じる水分蒸発過程をモデル化し、被験者実験との対応を検討し、皮膚・粘膜の乾燥や乾燥感を量的に把握するための基礎を築いています。

居住者の健康・快適性を担保し、特に冬期の乾燥感を抑制した上で建物の湿害を生じさせず、省エネルギーを達成できるような建築環境設計に役立つことが期待されます。

関連サイト

(工学研究科、研究推進課)