ハーバード大での共同作業(2018年2月)(左から2番目:木本研究員 右端:大田准教授)
受賞者:
人間発達環境学研究科 大田美佐子 准教授
人間発達環境学研究科 木本麻希子 研究員
受賞日:
2021年6月11日
受賞名:
Irving Lowens Award for Best Article
業績名:
Katie A. Callam, Makiko Kimoto, Misako Ohta and Carol J. Oja, “Marian Anderson’s 1953 Concert Tour of Japan: A Transnational History,” American Music, Volume 37(3),266-329, 2019

概要

 本論文は、ハーバード大学のケイティ・カラム博士とキャロル・オージャ教授(アメリカ音楽史)、神戸大学の木本麻希子研究員と大田美佐子准教授(音楽文化史)の四人で執筆された、1953年のマリアン・アンダーソンの来日ツアーに関する研究成果です。マリアン・アンダーソン(1897-1993)はアフリカ系アメリカ人として初めてメトロポリタン歌劇場の舞台に立ち、トスカニーニに「百年に一度の歌声」と評されるなど、芸術家としてのその輝かしいキャリアだけでなく、アメリカ合衆国の公民権運動のシンボルにもなりました。本研究は、戦後間もない来日で熱狂的に歓迎されたものの、現代では忘却されたマリアン・アンダーソンの日本ツアーを両国の史料や証言によって丁寧に紐解き、その背景について、両国の研究者チームの対話や議論を通じて問いを浮かび上がらせ、考察したものです。本論文では占領期の音楽文化についても考察されましたが、今後、このような国際的なチームによって、史料を発掘、共有し、対話や議論を通じて共同執筆するという試みが、音楽文化史研究の革新的な方法論として発展する可能性を秘めています。なお、本論文は英語と日本語で発表されました。(以下のリンクから日本語本文が参照できます)

 アーヴィング・ローヴェンス論文賞の受賞理由として、「本論文は、国際的な研究者チームによって、協働的かつ革新的な異文化相互のアプローチで研究された。文化や政治的なコンテクストの違いによって、人種、音楽、人権などについて、太平洋を挟んだ両サイドから、多角的な問題が浮かびあがった」と評価されました。

関連リンク

(人間発達環境学研究科、研究推進課)