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データサイエンスを活用したアグリバイオイノベーションによる地域創生の実践

本研究は、黒毛和種牛肉のブランド価値を高めるとともに、生産現場のDXを推進することを目的とし、ハイパースペクトル技術・化学分析・AI を統合した新しい肉質評価システムの構築に取り組むものです。従来、和牛の品質評価は熟練職人の経験に大きく依存してきましたが、科学的で客観的な手法を導入することで、国際市場でも競争力のあるブランドづくりを目指します。

本研究では、パナソニック株式会社が開発した高速・高感度の CMOS センサー搭載ハイパースペクトルカメラを活用し、食肉処理施設内で枝肉の切開面を精密に撮影します。ロース芯部の赤身や筋内脂肪のスペクトルデータを取得し、和牛の格付基準に沿って肉色を解析します。さらに、質量分析に基づくメタボロミクス解析により、アミノ酸・脂質・有機酸といった、うま味や風味に関わる成分を網羅的に定量します。

収集したデータは、PLSRやランダムフォレスト回帰、ニューラルネットワークなど複数の機械学習手法で解析し、肉色スペクトルから肉質を予測するAIモデルを構築します。開発した技術は特許取得も視野に入れ、協力施設と連携してブランド認定の運用プロトコルを整備し、将来的な企業化につなげます。さらに、新たに創出した和牛ブランドはオークションで検証し、モデルの妥当性を確認します。

附属農場へのハイパースペクトル導入も進め、果樹や米など他の農産物への展開を図り、農業全体のDX化に貢献します。また、輸出コンソーシアム事業と連携し、技術とブランドを国内外へ広げます。将来的には、スマート農業、生産性向上、代替タンパク質開発、環境適応型畜産物など食料安全保障分野へも研究を発展させ、国際共同研究や人材育成の拡充につなげます。

 

プロジェクト期間

2025.04.01 ~ 2027.03.31

SDGs

  • SDGs2
  • SDGs3
  • SDGs9

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